最近、「ホワイト企業で働きたい」という声を、特に若い世代からよく耳にするようになりました。
就業時間、福利厚生、給与、ライフワークバランス。
これらを大切にしたいという価値観は、今の時代を生きる私たちにとって、とても健全で自然なものだと思います。
限られた時間で最大限のパフォーマンスを発揮し、仕事もプライベートも充実させる。
そんな理想の働き方を目指すことは、とても素敵なことです。
企業側も敏感に反応し、優秀な人材を確保するために様々な施策を打つようになりました。
でも、ひとつ考えてみてほしいのです。
「限られた時間の中で成果を出す働き方」 それを本当に実現できる人とは、どんな人でしょうか。
成果を出すには、知識も経験も必要です。そしてそれらは、時間と試行錯誤を通してしか身につかないものです。
私自身、40代になった今、ようやく経験の重みを実感できるようになりました。
「質を語る」には、「量を通る」ことが欠かせない
仕事の質を上げたい。もっと効率的に働きたい。そう願うのは自然なことです。でも、どんな分野でも「質」は最初から手に入るものではありません。
まずは「量」をこなすこと。
大量にやって、失敗して、振り返って、工夫して。その繰り返しの先に、ようやく質が見えてくる。
「効率」や「時短」は、たくさんの遠回りを経た人だからこそ語れるものなのです。
ホワイトな働き方をしている人ほど、会社が終わったあとも、地道に努力を続けているものです。
セミナーに参加する。資格に挑戦する。ビジネスにおける語学力の向上を図る。
誰に言われたわけでもないのに、自分の時間とお金を使って、自分の価値を高め続けているのです。
だからこそ、今は会社に残って、目の前の仕事で結果を出すという選択も、立派な自己投資の一つだと思います。
今ここに真剣である人だけが、「選ばれる人」の候補になる。
「無理せず働きたい」「プライベートも大事にしたい」その願いは、とても素直でまっすぐなものです。
でも、その理想を実現するには、まず「選べる自分」になっておくことが必要です。
信頼される人であること。
任せてもらえる力を持つこと。
期待される存在になること。
そうなったとき、あなたは初めて働き方を自分で選べるようになります。
数年後、あなたはきっと、今とはまったく違う景色を見ているはずです。
「あの頃は大変だった。でも、あの時間があったから今がある」 そんなふうに思える日が、きっと来ると思います。